2023年 7月 の投稿一覧

HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)について

全国的に梅雨明けし、本格的な夏がやってきましたが、今年の夏は連日猛暑日続きで、出掛けるのも躊躇してしまうような暑さですね。

この暑さはしばらく続きそうなので、引き続き熱中症には気を付けましょう。

先日、中学生の女の子がいる知り合いが、子どもに子宮頸がんのワクチンを接種するかどうか悩んでいました。

子宮頸がんは、子宮の入り口にあたる子宮頸部にできるがんのことです。国内では、毎年約10,000人が子宮頸がんにかかり、約3000人が亡くなっています。以前は発症のピークが40~50歳代でしたが、最近は20~30歳代の若い女性に増えてきており、30歳代後半がピークとなっています。

子宮頸がんのほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因であることがわかっています。このウイルスは性的接触により子宮頸部に感染します。
しかし、現在はHPVワクチンが開発され、HPVワクチンにより子宮頸がんの60~70%を予防できると考えられており、WHOはその安全性と、HPVワクチン接種による子宮頸がんの予防効果などのメリットが、副反応などのデメリットよりも大きいことを確認し、性交渉を経験する前の10代前半にワクチン接種をすることを推奨しています。
そのため、日本ではHPVワクチンは、2013年4月より小学6年生~高校1年生を対象に定期接種となっていましたが、接種後に多様な症状が生じたとする報告により、2013年6月より自治体による積極的勧奨は差し控えられていました。
その後、厚生労働省では、安全性や効果などについての専門家の評価を受け、2022年4月より定期接種を再開しました。

知り合いは、前回定期接種が始まった後、メディアで子宮頸がんのワクチン接種による副反応として、神経障害など重い症状が取り上げられていたことを記憶しており、これまでワクチン接種に踏み切れないでいたといいます。
しかし、今回いろいろと調べて、メディアで取り上げられていたような重篤な症状は、全体の内のごくわずかであり、また、ワクチン接種の定期接種が控えられた世代で、子宮頸がんの発症者が増えていることを知り、ワクチン接種することに決めたそうです。

HPVワクチンは、子宮頸がんの予防にはとても効果があると考えられています。最近では、女性だけではなく、男性への接種を推進する動きもあるようです。
しかし、腫れや痛みといった副反応は多くの場合見られ、重篤な副反応がわずかながらも報告されているのも事実です。
ワクチン接種を検討する際は、自分たちでもよく調べ、家族で相談することが大切です。

また、HPVワクチンを接種しても、子宮頸がんを100%予防できるわけではないので、定期的に検診を受けることが重要です。

次回は、子宮頸がんについてお伝えします。

≪参照資料≫
子宮頸がん(国立がん研究センター がん情報サービス)

子宮頸がん(公益社団法人 日本産科婦人科学会)

新しい検査セットが追加になりました

先日の3連休はとても暑かったですね。週明けはそこまでの暑さはないものの、連日真夏日が続いていますので、引き続き熱中症には気を付けたいですね。

この度、当検査所では、新しい検査セットをご用意いたしました。

・8項目検査B 男性用/女性用
検査項目:HIV・梅毒・淋菌・トリコモナス・カンジダ・クラミジア・咽頭淋菌・咽頭クラミジア
検査料金:14,300円(税込)

これまでもお申し込みの多かった6項目検査に加え、咽頭検査2項目を加えた8項目検査のセットになります。

【8項目検査B 男性用】  【8項目検査B 女性用】

・4項目検査C 男性用/女性用
検査項目:淋菌・クラミジア・咽頭淋菌・咽頭クラミジア
検査料金:9,900円(税込)

感染者の多い淋菌・クラミジアについて、咽頭についてもご一緒に検査ができるセットになります。

【4項目検査C 男性用】  【4項目検査C 女性用】

どちらも、以前よりお客様からのご要望の多い検査項目をセットにした、おススメのセットになります。

性感染症は、症状が出ない場合も多いので、感染の心配がある方は、ぜひご利用ください。

【その他の検査のお申し込みはこちらから】

熱中症対策していますか

今週は、大雨による土砂崩れや、突風など、各地で様々な災害が起こっていますが、暑さも尋常ではないですね。

暑さが続くと気を付けないといけないのが熱中症です。

毎年、この時期から猛暑になることが度々あるので、皆さん気を付けていると思いますが、こまめな水分補給と、塩分、ミネラルの摂取を心がけ、熱中症にならないようにしましょう。

この3連休も全国各地で猛暑日の予報が出ています。高齢者や小さなお子様は暑さを自覚しにくい場合が多いので、周りで気を付けてあげたいですね。

また、様々な感染症についても、変わらず増加傾向にありますので、そちらも気を付けましょう。

【性感染症の検査はこちらから】

 

トリコモナス症について

今日は7月7日で七夕ですね。みなさんは何か願い事はされましたか?

大人になると七夕飾りをする機会はほとんどなくなってしまいますが、出先で七夕飾りを見かけたとき、子どもたちの願い事を目にすると心がほっこりしますよね。

今日はあいにく雨模様のところも多いようですが、天の川が見られる地域もあるようなので、一度夜空を見上げてみてはいかがでしょうか。

今回は、性感染症の内のひとつ、トリコモナス症についてお話しします。

トリコモナス症は、トリコモナスという原虫によって、膣や子宮頚管、膀胱や尿道などに起こる性感染症です。性交渉による感染が主ですが、下着やタオル、浴槽や便座からも感染の可能性があります。

トリコモナス症の症状

1~3週間の潜伏期間を経た後に、女性の場合は、泡状で白色や黄色っぽい臭いの強いおりものが大量に見られたり、陰部に強いかゆみや痛みを生じたり、また、性交時に痛みを伴うこともあります。
しかし、症状の出ない場合もあるので、感染に気が付かず放置してしまうと、炎症が卵管にまですすみ、不妊症や早産の原因となります。

一方、男性は症状がないことがほとんどですが、陰茎から泡状の分泌物が出たり、排尿時に軽度の痛みや不快感が生じることもあります。

トリコモナス症の検査

膣内部の分泌物や尿を顕微鏡で検査し、必要に応じて培養検査や遺伝子学的検査を行います。

トリコモナス症の治療

トリコモナス症は治療しない限り、自然治癒することはありません。
治療は主にメトロニダゾール(フラジール)という抗菌薬の経口投与や膣錠を使用して行われます。
妊娠中は経口投与は胎児への影響がある恐れがあるので注意が必要です。

トリコモナス症の予防

大半は性行為で感染するので、不特定多数の人との性行為を避けたり、コンドームを正しく使用することが大切です。

また、パートナー同士でピンポン感染(互いに治っては、感染するのを繰り返すこと)をしやすいため、パートナーと一緒に検査・治療を行うことが大切です。

【トリコモナスの検査はこちらから】