全国的に梅雨明けし、本格的な夏がやってきましたが、今年の夏は連日猛暑日続きで、出掛けるのも躊躇してしまうような暑さですね。
この暑さはしばらく続きそうなので、引き続き熱中症には気を付けましょう。
先日、中学生の女の子がいる知り合いが、子どもに子宮頸がんのワクチンを接種するかどうか悩んでいました。
子宮頸がんは、子宮の入り口にあたる子宮頸部にできるがんのことです。国内では、毎年約10,000人が子宮頸がんにかかり、約3000人が亡くなっています。以前は発症のピークが40~50歳代でしたが、最近は20~30歳代の若い女性に増えてきており、30歳代後半がピークとなっています。
子宮頸がんのほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因であることがわかっています。このウイルスは性的接触により子宮頸部に感染します。
しかし、現在はHPVワクチンが開発され、HPVワクチンにより子宮頸がんの60~70%を予防できると考えられており、WHOはその安全性と、HPVワクチン接種による子宮頸がんの予防効果などのメリットが、副反応などのデメリットよりも大きいことを確認し、性交渉を経験する前の10代前半にワクチン接種をすることを推奨しています。
そのため、日本ではHPVワクチンは、2013年4月より小学6年生~高校1年生を対象に定期接種となっていましたが、接種後に多様な症状が生じたとする報告により、2013年6月より自治体による積極的勧奨は差し控えられていました。
その後、厚生労働省では、安全性や効果などについての専門家の評価を受け、2022年4月より定期接種を再開しました。
知り合いは、前回定期接種が始まった後、メディアで子宮頸がんのワクチン接種による副反応として、神経障害など重い症状が取り上げられていたことを記憶しており、これまでワクチン接種に踏み切れないでいたといいます。
しかし、今回いろいろと調べて、メディアで取り上げられていたような重篤な症状は、全体の内のごくわずかであり、また、ワクチン接種の定期接種が控えられた世代で、子宮頸がんの発症者が増えていることを知り、ワクチン接種することに決めたそうです。
HPVワクチンは、子宮頸がんの予防にはとても効果があると考えられています。最近では、女性だけではなく、男性への接種を推進する動きもあるようです。
しかし、腫れや痛みといった副反応は多くの場合見られ、重篤な副反応がわずかながらも報告されているのも事実です。
ワクチン接種を検討する際は、自分たちでもよく調べ、家族で相談することが大切です。
また、HPVワクチンを接種しても、子宮頸がんを100%予防できるわけではないので、定期的に検診を受けることが重要です。
次回は、子宮頸がんについてお伝えします。
≪参照資料≫
子宮頸がん(国立がん研究センター がん情報サービス)