2022年 7月 の投稿一覧

梅毒について

周りでは新型コロナウイルスの感染者が急増し、今年も感染予防に努めながらの夏休みとなりましたね。

今日は、近年感染者が急増している梅毒についてお話ししたいと思います。

梅毒とは

梅毒は梅毒トレポネーマという病原体の感染によっておこる性感染症です。
梅毒トレポネーマがリンパ節に侵入し、時間の経過とともに血液を巡って全身に広がっていきます。

粘膜や皮膚の直接の接触によって感染するので、主に性行為やオーラルセックスやキス、アナルセックスなどによって感染します。
また、感染した妊婦の胎盤を通じて胎児に感染する場合もあります。(先天梅毒)

感染後3~6週間程度の潜伏期を経て、様々な症状が出現しますが、症状のない場合もあるので注意が必要です。

梅毒の症状

早期顕症梅毒 第Ⅰ期:感染後約3週間後、感染がおきた部位(陰部、肛門、口など)に、初期硬結(しこり)や硬性下疳(潰瘍)が見られたり、リンパ節の腫れなどの症状が出てきます。
これらは、無治療でもやがて症状がおさまってきますが、病原体がいなくなったわけではないので、他の人にうつす可能性もあります。

早期顕症梅毒 第Ⅱ期(感染後数か月):第Ⅰ期の症状が一旦消失したのち4~10週間の潜伏期を経て、手のひらや足の裏など、全身に赤い発疹(梅毒性バラ疹)が出てきます。
また、発熱、倦怠感等の全身症状に加え、泌尿器系、中枢神経系、筋骨格系の多彩な症状を呈することがあります。
第Ⅰ期同様、無治療でも数週間~数か月で症状はおさまってきます。

晩期顕症梅毒 第Ⅲ期(感染後3~10年):感染後数年が経つと、皮膚や筋肉、骨などにゴムのような腫瘍(ゴム腫)が発生することがあります。

晩期顕症梅毒 第Ⅳ期(感染後10年以上):さらに無治療のまま年数が経過すると、心臓、血管、脳などの複数の臓器に病変が生じ、場合によっては死亡に至ることもあります。

現在では、比較的早期から治療を開始する例が多く、抗菌薬が有効であることなどから、晩期顕症梅毒に進行することはほとんどありません。

 

梅毒の検査

血液検査と医師による診察で判断します。感染してから数週間ほどは、検査しても陽性反応が出ない潜伏期間があるため、感染後3週間ほど経過してから検査結果を確認する必要があります。

梅毒の治療

一般的には外来で処方された抗菌薬(ペニシリン剤)を服用します。
病変の部位によっては入院のうえ、点滴で抗菌薬の治療を行うこともあります。
一度症状がなくなっても、病原体は体内に残っているので、自己判断で薬の服用や治療ををやめることはせず、医師が治療を終了とするまで、根気強く治療を続けることが大切です。

 

梅毒の予防

コンドームを使用することで予防の効果はありますが、コンドームが覆わない部分の皮膚や粘膜に症状があると感染します。

梅毒は、治療をしなくても症状がなくなることがありますが、自然に治ることはありません。
早期に治療を行えば治る病気ですので、異常があった場合は早めに検査し、医療機関を受診しましょう。その際、大切な人を守るため、パートナー等と一緒に検査を受けることも大切です。
また、一度完治しても、感染を繰り返すことがありますので、再感染の予防が必要です。

【梅毒の検査はこちらから】

≪参照資料≫

梅毒に関するQ&A(厚生労働省ホームページ)

梅毒とは(国立感染症研究所)

日本の梅毒症例の動向について(国立感染症研究所)

群馬県新型コロナ検査無料化事業について

新型コロナウイルス感染症の新規感染者の急増に伴い、群馬県では

群馬県新型コロナ検査無料化事業の『感染拡大時の一般検査事業』が本日から再開しました。

【群馬県新型コロナ検査促進事業の実施について】

群馬県より要請を受け、感染不安のある下記に該当する方は、当検査所でも検査を行っております。

 ・無症状の方
 ・濃厚接触者ではない方
 ・群馬県在住の方

【くわしくはこちらから】

群馬県在住がわかる身分証明書をお持ちの上、直接検査会場までお越しください。

受付時間:月~土 10:00~16:00
(日・祝日・8/11~8/15は休み)

検査会場:高崎市あら町5番地1

TEL:027-321-3000(株式会社メディック)

梅毒の感染者が増えています

近年、梅毒の感染者数が急増しているのは皆さんご存じですか?

梅毒は昔の病気、というイメージを持っている方もいるかと思いますが、2010年以降、梅毒の感染者数は徐々に増加傾向にあります。

2010年には600件ほどだった梅毒患者の報告件数が、2018年には全国で7,000件近く報告され、その後いったん減少傾向が見られましたが、コロナ過の2021年に再び増加に転じ、8,000件近くの症例が報告されました。
そして、国立感染症研究所が週ごとに公表する感染症発生動向調査(速報値)によると、今年初めから7月3日までにおよそ5,600件の症例が報告され、2022年の梅毒患者が年間1万件を超える勢いで増加していることがわかりました。

(国立感染症研究所感染症動向調査より作成)

全国的に増加傾向にありますが、特に東京や大阪といった都市部や、その周辺地域で感染者が急増しています。
また、年齢別でみると、男性は20~50代、女性は20~30代が感染者の中心となっており、異性間性交渉が主な感染経路となっています。

感染者が増加した要因としては、はっきりした理由はわかっていませんが、SNSの普及により、不特定多数の人と性交渉をする機会が増えたことや、性風俗サービスの多様化、また感染の流行を受け、検査数が増加したことも理由の一つと考えられています。

感染予防としては、不特定多数の人との性的接触を避けることや、コンドームを使用することが大切です。
また、梅毒は早期に治療すれば治る病気ですので、性器などの感染部位にしこりがあるなど、梅毒が疑われる症状がある場合は、早めに検査し、医療機関を受診しましょう。

【梅毒の検査はこちらから】

次回は、梅毒について詳しくお話しします。

≪参照資料≫

日本の梅毒症例の動向について(国立感染症研究所)

新型コロナウイルス感染症

ゴールデンウイーク頃には、観光地の人手も徐々に戻り始め、イベントも盛んになり、一度は落ち着いてきたかに見えた新型コロナウイルスの新規感染者数が、また増えてきましたね。

7/13は全国で94,493名、東京都で16,878名、群馬県で857名の新規感染者数が発表されています。

6月半ばまでは減少傾向だった感染者数が、徐々に増え始め、7月に入り急増し、今週は前週に比べ、ほぼ倍増しています。
今回の感染拡大で、多くの地域で過去最多の感染者数も報告されています。

感染者数が落ち着いてきたと思ったら、新しい変異株が出てきたことにより感染が再拡大と、以前のような生活に戻るには、まだまだ時間がかかりそうですね。

感染の拡大が続いていますが、現在のところ、政府は新たな行動制限は考えていないとのこと。
夏休みも近づいていますし、旅行や帰省などを予定している方もいると思います。

そういった方を対象に、群馬県では

【ワクチン検査パッケージ等定着促進事業】

により、対象となる方は無料で新型コロナ検査が受けられます。

実施期間:2022年4月1日~8月31日

当検査所でも、群馬県からの要請により、検査を行っておりますので、無料検査の対象となるかどうかはこちらでご確認ください。

【群馬県ワクチン検査パッケージ等定着促進事業について】

【新型コロナウイルス無料検査】

また、県内でも感染者が急増し、新型コロナウイルスに感染してないかどうか、不安がある方もいらっしゃると思います。症状がなく、濃厚接触者でない方は、有料にて検査を行っておりますので、検査を希望される方はお気軽にお問い合わせください。

また、有料のPCR検査は郵送検査も行っていますので、こちらもご覧ください。

【新型コロナウイルスPCR郵送検査】

性感染症について

こんにちは。先週は、連日、真夏のような暑さが続いていましたが、今週は梅雨に逆戻りしたように、毎日不安定なお天気が続いていますね。

今日は、性感染症についてお話ししたいと思います。

性感染症(STD)とは、通常の性行為に限らず、性的接触によって感染する病気の総称です。

・症状がなくても感染している可能性がある。

自覚症状が乏しい性感染症が多いため、感染に気が付かず、他の人に感染させることもあります。

・一度治っても、何度でも感染することがある。

性感染症は治療すれば治りますが、免疫ができない病気が多いので、治っても再感染することがあります。

・妊娠中に罹患していると、赤ちゃんが感染することがある。

性感染症は妊娠中にかかっていると、胎児に感染したり、出産時に産道で感染したりと、生まれた赤ちゃんに影響を及ぼすことがあります。

また、流産や死産の原因にもなります。

・治療しないでいると、症状が重くなったりすることもある。

一度感染すると、基本的には自然治癒することはありません。

例えば、梅毒では、無治療のまま放置すると、心臓や血管の病気、神経麻痺など、重い症状が現れ、死に至る場合もあります。

また、淋菌、クラミジアなどは子宮や卵巣、精巣の病気、不妊や流産・早産の原因となることもあります。

性感染症は症状がないことも多く、あっても症状が軽く気が付かない、また自覚症状があっても医療機関を受診しにくいといった理由で、正しい治療に結びつかなかったり、感染がいつの間にか他の人へ広がっている場合があります。

しかし、治療しないままでいると、他の人に感染を広げてしまうだけでなく、自身も不妊の原因となったり、大きな病気へと進展する可能性もあるので、早期発見・早期治療が大切です。

大切なパートナーを守るためにも、何か少しでも症状があったり、感染が疑われる場合は、早めの検査をお勧めします。

【検査の一覧はコチラから】

≪参照資料≫

これって、性感染症?

性感染症とは(公益財団法人 性の健康医学財団)