2022年 11月 の投稿一覧

群馬県新型コロナ検査促進事業の延長について

最近は紅葉も見ごろを迎え、天気のいい日はどこかへ出かけたくなるような毎日ですね。

一方で、寒さは徐々に厳しくなり、今年は新型コロナウイルス感染症とインフルエンザとの同時流行も心配され、新型コロナウイルス感染症の新規感染者は全国で増加の一途をたどっています。

それに伴い、群馬県では、【群馬県新型コロナ検査無料化事業】の『感染拡大時の一般検査事業』を12月31日(土)まで延長いたしました。

【群馬県新型コロナ検査促進事業の実施について(検査無料化事業)】

群馬県より要請を受け、感染不安のある下記に該当する方は、引き続き、当検査所でも検査を行っております。
・無症状の方
・濃厚接触者ではない方
・群馬県在住の方

【当検査所の新型コロナ無料検査について】

群馬県在住がわかる身分証明書をお持ちの上、検査会場までお越しください。

受付時間:月~金 10:00~16:00

(土日祝日休み)

※なお、12月29日(木)~12月31日(土)は休業日となります。

検査会場:高崎市あら町5番地1

TEL:027-321-3000(株式会社メディック)

淋菌感染症について

最近は急に寒くなり、いよいよ冬が近づいてきた感じがしますね。

今日は、性感染症(STD)の一つの淋菌についてお話ししたいと思います。

淋菌感染症は、淋菌という細菌の感染による性感染症です。淋菌は弱い菌で、患者の粘膜から離れると数時間で感染性を失い、日光、乾燥や温度の変化、消毒剤で簡単に死滅しますが、性行為や性交類似行為で感染する確率は高いとされています。

日本では、淋菌感染症は感染者の多い性感染症の一つで、感染者は男女とも20代の若年層に多く見られます。
男女別でみると、男性の感染者の報告数の方が多いですが、女性は自覚症状に乏しく受診の機会が少ないことも要因の一つと考えられています。

淋菌感染症の症状

2 ~7日の潜伏期を経て、男性では、尿道から感染して急性尿道炎を起こし、濃い黄白色の膿性の分泌物の出現や排尿痛、尿道口の発赤がみられます。そのまま放置すると、前立腺炎、精巣上体炎となり、不妊症の原因にもなります。
最近では、男性の場合でも症状が典型的でなく、粘液性の分泌物であったり、場合によっては無症状に経過する場合もあります。

一方、女性では、黄色い膿のようなおりものや、排尿痛などの症状がありますが、多くの場合、無症状に経過します。淋菌感染症は、子宮の入り口が炎症する子宮頚管炎の原因にもなり、炎症がさらに進行していくと、子宮内膜炎、卵管炎等の骨盤内炎症性疾患を起こし、不妊症や子宮外妊娠の原因にもなります。

また、妊娠中に淋菌に感染すると、早産や流産を引き起こしたり、出産中に産道で赤ちゃんに感染することもあります。

淋菌は咽頭や直腸にも感染し、これらの部位も感染源となりますが、症状が自覚されないことが多いです。

淋菌感染症の検査

淋菌の検査は、感染部位や症状に合わせて、尿の採取、患部をぬぐう、うがい液の使用などにより感染の有無を調べます。 感染を検査する方法には、核酸増幅検査(リアルタイムPCR法、SDA法、TMA法など)、抗原検査、抗体検査があります。核酸増幅検査は、検出感度が高く、1つの検体でクラミジアとの同時検出、鑑別が可能であるため、混合感染の診断にも有用です。しかし、淋菌の生死にかかわらずに検出してしまうため、治療後の検査のタイミングや判定には注意が必要です。

淋菌感染症の治療

淋菌感染症の治療には、抗菌薬が有効です。点滴での処置や、筋肉注射、経口による服用など、症状や合併症などを考慮して医師が判断します。抗菌薬は医師に処方された分をきちんと服用しきることが大切です。途中で服薬を中止すると、再び淋菌が勢いを増し、完治しない可能性があります。

淋菌感染症の予防

淋菌感染症の予防には、コンドームを使用することが有効ですが、コンドームが覆わない部分の皮膚や粘膜に感染部位があるとその部分から感染します。

淋菌感染症は、自覚症状がない場合も多いため、気が付かないうちに感染していたり、パートナーに感染させていることが多い感染症ですので、パートナー等と一緒に検査を受けることも大切です。
また、一度完治しても、感染を繰り返すことがありますので、再感染の予防が必要です。

【淋菌の検査はこちらから】

梅毒の感染者数が1万人を超えました

梅毒の感染者数が急増しています。

国立感染症研究所が週ごとに公表する感染症発生動向調査(速報値)によると、今年初めから10月30日までに10,465件の梅毒の症例が報告され、2021年の年間の症例数7,875件を大きく上回り、すでに1万件を超えました。

梅毒は昔の病気、というイメージを持っている方もいるかと思いますが、2010年以降、梅毒の感染者数は徐々に増加傾向にあります。

(国立感染症研究所感染症動向調査より作成 ※2022年は10月30日報告分まで)

2010年には600件ほどだった梅毒患者の報告件数が、2018年には全国で7,000件近く報告され、その後いったん減少傾向が見られましたが、コロナ過の2021年に再び増加に転じました。

(国立感染症研究所感染症動向調査より作成 ※2022年10月2日報告分まで)

また、年齢別でみると、男性は20~50代と幅広い層で感染者がみられますが、女性は20代の若い人たちが感染者の中心となっています。

感染者が増加した要因としては、はっきりした理由はわかっていませんが、SNSの普及により、不特定多数の人と性交渉をする機会が増えたことや、性風俗サービスの多様化、また感染の流行を受け、検査数が増加したことも理由の一つと考えられています。

梅毒は梅毒トレポネーマという病原体の感染によっておこる性感染症です。

梅毒トレポネーマがリンパ節に侵入し、時間の経過とともに血液を巡って全身に広がっていきます。

梅毒は、症状が現れる時期と症状が自然に消える時期を交互に繰り返しながら進行します。

感染後約3週間~6週間後の第Ⅰ期では、感染がおきた部位(陰部、肛門、口など)に、初期硬結(しこり)や硬性下疳(潰瘍)が見られたり、リンパ節の腫れなどの症状が出てきますが、無症状の場合もあります。

しかし、症状が出た場合でも、無治療のままでいても、やがてそれらの症状は消失していきます。

第Ⅰ期の症状が一旦消失した後、4~10週間の潜伏期を経て、手のひらや足の裏など、全身に赤い発疹(梅毒性バラ疹)が出てきます。これが第Ⅱ期です。
この時期には、発熱、倦怠感等の全身症状に加え、泌尿器系、中枢神経系、筋骨格系の多彩な症状を呈することがあります。
第Ⅰ期同様、無治療でも数週間~数か月で症状はおさまってきます。

さらに無治療のまま年数が経過し、晩期顕症梅毒に進行すると、皮膚や筋肉、骨などにゴムのような腫瘍(ゴム腫)が発生し、やがては心臓、血管、脳などの複数の臓器に病変が生じ、場合によっては死亡に至ることもあります。

現在では、比較的早期から治療を開始する例が多く、抗菌薬が有効であることなどから、晩期顕症梅毒に進行することはほとんどありません。

感染予防としては、不特定多数の人との性的接触を避けることや、コンドームを使用することが大切です。

梅毒は、治療をしなくても症状がなくなることがありますが、自然に治ることはありません。

早期に治療すれば治る病気ですので、性器などの感染部位にしこりがあるなど、梅毒が疑われる症状がある場合は、早めに検査し、医療機関を受診しましょう。

【梅毒の検査はこちらから】

≪参照資料≫

日本の梅毒症例の動向について(国立感染症研究所)

梅毒とは(国立感染症研究所)

11月になりましたね

今日から11月ですね。一時の寒さも少し和らいだ気がしますが、気が付いたら、今年も残すところあと2か月となってしまいました。月日が経つのは早いですね。

一方、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は、最近は下げ止まり、ほぼ横ばいか少しずつ増加の傾向にあるようです。

今年は、海外からの入国制限が緩和されたことや、国内での行動制限もなくなったことで、インフルエンザとの同時流行も心配されますよね。

群馬県では、群馬県新型コロナ検査無料化事業の『感染拡大時の一般検査事業』を11月30日(水)まで、延長いたしました。

【群馬県新型コロナ検査促進事業の実施について(検査無料化事業)】

群馬県より要請を受け、感染不安のある下記に該当する方は、引き続き、当検査所でも検査を行っております。
・無症状の方
・濃厚接触者ではない方
・群馬県在住の方

【新型コロナ無料検査】

群馬県在住がわかる身分証明書をお持ちの上、検査会場までお越しください。

受付時間:月~金 10:00~16:00
(土日祝日休み)

検査会場:株式会社メディック

高崎市あら町5番地1

TEL:027-321-3000