”殿様枕症候群”をご存じですか?
”殿様枕症候群”は、国立循環器病研究センターによって提唱された、高い枕と脳卒中の原因の一つである特発性椎骨動脈解離との関連について述べた用語です。(英語名:Shogun pillow syndrome)
脳卒中は通常高齢者に起こる病気ですが、若年~中年層でも特殊な原因で起こることがあり、特発性椎骨動脈解離はその原因の一つで、首の後ろの椎骨動脈という血管が裂けてしまうことで脳卒中を起こします。
上記の研究グループが、特発性椎骨動脈解離の患者さんの内、極端に高い枕を使用している患者さんが存在することに着目し、研究を重ねた結果、枕が高ければ高いほど特発性椎骨動脈解離の発症割合が高く、この関連は枕が硬いほど顕著であることを立証しました。
日本では17~19世紀に”殿様枕”と呼ばれる高くて硬い枕が、庶民の間でも使用されていました。皆さんも時代劇などで目にしたことがあると思いますが、そのころの書物には『寿命三寸楽四寸(12cm程度の高い枕は髪型が崩れず楽だが9cm程度が早死にしなくて済む)』といった言説が流布していたと記載があるそうです。
最近は、ベッドでスマホを使用するために枕を極端に高くしている人も多いようです。
この習慣が脳卒中のリスクを高めているようなので、”殿様枕症候群”にならないように枕も気を付けて選びたいですね。
≪参照資料≫