淋菌の薬剤耐性化

先日、アメリカで、淋菌の感染者から、5種類の抗生物質に耐性を持つ新たな株が検出されたと報告があったそうです。

この株は、英国やアジア太平洋地域の各国ですでに検出されている株ですが、アメリカでは今回が初の感染例として報告されました。

淋菌は薬剤への耐性を持ちやすい菌として知られており、薬剤に耐性を持つ淋菌が新たに出現する可能性は高いとされていました。

淋菌の感染者は、日本では、男女とも20代の若年層に多く見られます。

男性では、尿道から感染して急性尿道炎を起こし、濃い黄白色の膿性の分泌物の出現や排尿痛、尿道口の発赤がみられます。そのまま放置すると、前立腺炎、精巣上体炎となり、不妊症の原因にもなります。

一方、女性では、黄色い膿のようなおりものや、排尿痛などの症状がありますが、多くの場合、無症状に経過します。淋菌感染症は、子宮の入り口が炎症する子宮頚管炎の原因にもなり、炎症がさらに進行していくと、子宮内膜炎、卵管炎等の骨盤内炎症性疾患を起こし、不妊症や子宮外妊娠の原因にもなります。

淋菌感染症は、自覚症状がない場合も多いため、気が付かないうちに感染していたり、パートナーに感染させていることが多い感染症です。

米疾病対策センター(CDC)は、薬剤耐性の脅威が最も差し迫っている細菌の1つに、淋菌を挙げています。
近年、淋菌の薬剤耐性化が顕著で、深刻な多剤耐性化が進んでいます。

いつかどの薬も効かない淋菌が出てくる可能性もあるため、まずは感染しないように予防することが大切です。

性的接触時にはコンドームを必ず使用し、感染が疑われたときは、パートナーとともに検査を受け、治療を行いましょう。

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<参考記事>【薬剤耐性の高い淋菌、米国で報告 性感染症の患者がコロナ過で急増】